バイクチェーンは、たるみすぎても張りすぎても、バイクに無理をさせてしまいます。
この記事では、「チェーンのたるみすぎ」と「張りすぎ」で起こる症状や悪影響、そしてどちらが危ないのかを、乗り心地やメンテナンス時に気づきやすいポイントも交えながら書いていきます。
チェーンのたるみすぎと張りすぎは、どちらも危ない

チェーンのたるみすぎと張りすぎは、どちらもバイクに無理をさせる状態です。
ただ、それぞれ危なさが違います。
たるみすぎはチェーンが暴れたり外れたりする怖さがあり、張りすぎはチェーンやスプロケット、軸まわりに強い負担をかける怖さがあります。
たるみすぎは、チェーンが暴れやすくなる
たるみすぎたチェーンは、走行中に上下へ大きく振れやすくなります。
その結果、足元からガチャガチャした音が出たり、振動が増えたり、加減速のたびにガクッとしたショックが出たりすることがあります。
さらに状態が悪いまま走り続けると、チェーンがスプロケットから外れるおそれもあります。
これは走行中の車体の安定に関わるので、軽く見ないほうがいいです。
張りすぎは、部品に強い負担がかかる
張りすぎは、たるみすぎに比べると見た目では気づきにくいです。
でも、バイクは走行中にリヤサスペンションが動きます。
そのとき、チェーンやスプロケット、前側のスプロケットを支える軸まわりに強い負担がかかります。
「張ってあるから安心」ではなく、「ちゃんと遊びがあるから安心」と考えるほうがいいかと思います。
大事なのは、指定された遊びに合わせること
チェーンは、たるませすぎても、張りすぎてもいけません。
大事なのは、自分のバイクに合った適正な遊びに合わせることです。
説明書やスイングアーム付近の表示に、チェーンのたわみ量が書かれていることがあります。
そこを基準にして確認するのが一番確実です。
チェーンがたるみすぎると起きる悪影響

たるみすぎたチェーンは、ただ見た目がだらんとしているだけではありません。
走っているときの音、振動、加減速に影響が出てきます。
最初は小さな違和感でも、放っておくとだんだん気持ちよく走れなくなっていきます。
ガチャガチャした音や振動が出やすい
チェーンに余分な遊びがありすぎると、走行中にチェーンが暴れやすくなります。
その振れがチェーンガードやスイングアーム付近に当たると、ガチャガチャ、ゴリゴリといった音につながることがあります。
こういう音が出ると、乗っていて気持ちが落ち着きません。
バイクから「ちょっと見てくれへん?」と言われているような感じがします。
加減速がギクシャクしやすくなる
チェーンがたるみすぎていると、スロットルを開けたときに力が伝わるまでの間が大きくなります。
そのため、加速や減速のたびにガクッとしたショックが出やすくなります。
街中の低速走行では、これがけっこう気になります。
スムーズに走りたいのに、バイクとの呼吸が少しズレる感じがするんです。
スプロケットや周辺部品にも負担がかかる
チェーンが暴れると、スプロケットの歯にも余計な負担がかかります。
噛み合いがきれいに保てない状態が続くと、チェーンだけでなくスプロケット側の摩耗も進みやすくなります。
バイク屋さんでも、チェーンが伸びて交換するなら、前後のスプロケットも一緒に交換したほうがいいと言われたことがあります。
スプロケットは見た目ではまだ使えそうに見えても、実際には少しずつ摩耗していることがあるからです。
チェーンだけ新品にしても、摩耗したスプロケットと組み合わせると噛み合いがきれいに出にくく、せっかく交換したチェーンにまた負担をかけてしまうことがあります。
そう考えると、たるみの確認は小さな手間で、大きな出費や余計な不安を減らすための作業でもあります。
チェーンを張りすぎると起きる悪影響

チェーンは、ピンと張れば安心というものではありません。
むしろ張りすぎは、バイク全体にじわじわ負担をかけることがあります。
見た目では問題なさそうに見えても、走行中の車体の動きの中で無理が出てしまうんです。
サスペンションの動きを邪魔しやすくなる
バイクは走行中、路面の凹凸や加減速に合わせてリヤサスペンションが動きます。
その動きの中で、スイングアームの角度が変わり、チェーンの張り具合も変化します。
最初からチェーンを強く張りすぎていると、サスペンションが沈んだときに逃げ場が少なくなります。
その結果、リヤまわりの動きが硬く感じたり、路面からの衝撃を受けやすくなったりすることがあります。
チェーンとスプロケットの摩耗が進みやすい
張りすぎたチェーンには、常に強い力がかかります。
その状態で走り続けると、チェーンのリンクやスプロケットの歯に余計な負担がかかります。
見た目では問題なさそうに見えても、中ではチェーンやスプロケットに無理がかかっていることがあります。
これは無理せんほうがええなぁ、と思うところです。
エンジン側の軸やベアリングにも負担がかかる
チェーンの張りすぎは、前側のスプロケットを支えている軸まわりにも負担をかけます。
すぐに大きなトラブルになるとは限りませんが、無理な力がかかり続けるのはよくありません。
チェーン調整は、ただ後輪を引っ張って終わりではなく、車体全体の動きにも関わる大事なところです。
だからこそ、不安があるときは、無理をせずバイク屋さんで見てもらうほうが安心です。
チェーンのたるみはどう確認すればいいのか

チェーンのたるみは、なんとなく見た目だけで判断するより、指定された方法で確認するのが安心です。
車種によって測る場所や車体の立て方、適正なたわみ量は違います。
だからこそ、まずは自分のバイクの指定値を確認することが大切です。
説明書や車体の表示を確認する
チェーンの適正なたわみ量は、説明書に書かれていることが多いです。
車種によっては、スイングアーム付近にチェーンのたわみ量を示すステッカーが貼られていることもあります。
オンロードだから何ミリ、排気量が大きいから何ミリ、と一律に決めるより、自分のバイクの指定値を見るほうが確実です。
測る場所と車体の状態を合わせる
チェーンのたわみは、前後スプロケットの中間あたりで確認することが多いです。
ただし、サイドスタンドで測る車種もあれば、車体をまっすぐ立てた状態を指定している車種もあります。
同じチェーンでも、測る条件が変わると数値の出方が変わります。
ここを適当にしてしまうと、張りすぎやたるみすぎにつながるので気をつけたいところです。
一か所だけでなく複数箇所を見る
チェーンは、全体がまったく同じように伸びるとは限りません。
場所によってたるみが少し違うことがあります。
これを見ずに一か所だけで調整すると、別の場所では張りすぎになってしまうことがあります。
リヤタイヤを少しずつ回しながら、何か所か確認しておくと安心です。
たるみの差が大きい場合や、動きが渋いリンクがある場合は、調整だけで済ませずバイク屋さんに相談したほうがいいです。
チェーン調整で大事にしたいこと

チェーン調整で大事なのは、「できるだけ張ること」ではなく、必要な遊びをちゃんと残すことです。
たるみすぎても張りすぎても、バイクに無理をさせてしまうので、自分のバイクに合ったちょうどいい状態を保ってあげたいところです。
音の変化は意外とわかりやすい
チェーンの状態がよくないと、走っているときに足元からガチャガチャした音が出たり、低速でギクシャクした感じが伝わってきたりします。
CBR400RRに乗っていたころ、チェーンが伸びてチェーンガードに当たり、かなり大きな音が出たことがありました。
最初は「なんの音やろ?」と思ったのですが、バイク屋さんに見てもらうとチェーンのたるみが原因でした。
あのときは、チェーンのたるみは見た目だけの問題ではないんやなぁ、と感じました。
走っているときの音や違和感は、バイクからの小さな合図として見逃さないほうがいいですね。
不安なときは無理に自分でやらない
チェーン調整は、自分でできる作業として紹介されることも多いです。
でも、チェーン調整では後輪の軸まわりを緩めたり、左右のアジャスターで位置を合わせたり、最後にメーカー指定のトルクで締め直したりする必要があります。
工具が足りないときや、作業に不安があるときは、無理にやらなくていいと思います。
バイク屋さんで見てもらうのも、立派なバイクとの付き合い方やと思います。
ちょうどいい遊びが、無理のない動きにつながる
チェーンは、ピンピンでもダルダルでもなく、ちょうどいい遊びがある状態が一番落ち着きます。
遊びが少なすぎると部品に無理がかかり、遊びが大きすぎるとチェーンが暴れやすくなります。
人間もそうですけど、余裕がなさすぎるとしんどいし、ゆるみすぎても不安定になります。
バイクも同じようなところがあるんやなぁ、と感じます。
まとめ
バイクチェーンのたるみすぎは、チェーンが暴れて音や振動が出たり、スプロケットから外れるおそれがあったりします。
一方で、張りすぎはチェーンやスプロケット、サスペンション、エンジン側の軸まわりに無理な負担をかけます。
たるみすぎも張りすぎも、どちらも軽く見ないほうがいい状態です。
大切なのは、強く張ることでも、なんとなく放っておくことでもなく、そのバイクに合った適正な遊びを保つことです。
チェーンまわりに音や振動、加減速の違和感があるときは、早めに確認しておくと安心です。
少しでも不安があるなら、無理に自分で判断せず、バイク屋さんで見てもらうのがいいかと思います。
チェーンの状態が落ち着いていると、走り出しも加減速も気持ちよくなります。
無理せず、気持ちよく走って、ちゃんと帰ってくるためにも、ときどきチェーンのたるみを見てあげたいですね。