バイクのタイヤを横から見ると、「180/55ZR17 M/C(73W)」みたいな数字とアルファベットが並んでいます。
初めて見ると、なんや暗号みたいやなぁと思います。
一気に全部読もうとすると難しく見えますが、区切って読むと分かりやすくなります。
この記事では、「180/55ZR17 M/C(73W)」を例に、どの数字が何を表しているのかを順番に見ていきます。
180/55ZR17 M/C(73W)は分けて見ると読みやすい
まずは、「180/55ZR17 M/C(73W)」を次のように分けてみます。
180/55/Z/R/17/M/C/73/(W)
これだけでも、少し見やすくなったと思います。
それぞれの意味は、次のとおりです。
- 180:タイヤ幅の呼び
- 55:扁平率
- Z:速度カテゴリー
- R:ラジアル構造
- 17:リム径
- M/C:二輪車用タイヤの表示
- 73:荷重指数
- (W):速度記号
こうして見ると、ひとつの長い記号ではなく、いくつかの情報が順番に並んでいるだけです。
180はタイヤ幅の呼び

最初の「180」は、タイヤ幅の呼びをミリメートルで表しています。
簡単にいうと、幅が180mmクラスのタイヤという意味です。
ただし、実際に測ったタイヤ幅が、必ず180mmぴったりになるわけではありません。
同じ180の表記でも、タイヤの設計や取り付けるリム幅によって、実際の寸法が少し違うことがあります。
そのため、「だいたい180mm幅のタイヤを表す数字」と考えると分かりやすいです。
55はタイヤの高さの割合

次の「55」は、扁平率を表しています。
扁平率と聞くと急に難しく感じますが、簡単にいうと、タイヤ幅に対して横から見た高さがどれくらいあるかを示す割合です。
180/55の場合は、180mmの55%になります。
180mm×0.55=99mm
表記から計算すると、タイヤ断面の高さは約99mmです。
ただし、これは数字から出した計算上の高さです。
実際の幅や外径は製品によって少し違うことがあるため、正確な寸法を知りたいときは、タイヤメーカーの製品情報を確認します。
Zは速度カテゴリーを表している

「ZR」はひとつの記号に見えますが、ZとRは別々に読みます。
まず「Z」は、240km/hを超える速度カテゴリーを表す表示です。
タイヤが、どの速度カテゴリーに対応するよう作られているかを示す表示です。
今回の表記では、後ろに「(W)」も付いているため、速度能力については最後の速度記号もあわせて見ます。
Rはラジアル構造

「R」は、ラジアル構造のタイヤであることを表しています。
ラジアル構造は、タイヤの中にある骨格部分が、進行方向に対してほぼ直角に並ぶ構造です。
大型のオンロードバイクやスポーツ系のバイクなどでは、よく見かけます。
ただし、ラジアルだから必ず乗り心地が硬い、必ず長持ちする、必ずグリップが高いというわけではありません。
実際の乗り味は、タイヤ全体の設計やゴム、空気圧などでも変わります。
ここは「Rはラジアル構造を表している」と覚えるくらいで十分です。
17はホイールの大きさ

「17」は、タイヤを取り付けるホイールのリム径をインチで表しています。
つまり、17インチのリムに取り付けるタイヤという意味です。
タイヤ全体の直径が17インチという意味ではありません。
ここは最初、少し勘違いしやすいところやと思います。
同じ17インチでも、タイヤ幅や扁平率が変われば、タイヤ全体の外径も変わることがあります。
M/Cは二輪車用タイヤの表示

「M/C」は、モーターサイクル用タイヤであることを表しています。
乗用車用タイヤなどと区別するための表示です。
タイヤを見たときは、数字だけでなく、M/Cの表示も確認しておきたいところです。
73は荷重指数

「73」は、荷重指数と呼ばれる数字です。
タイヤ1本が、決められた条件でどれくらいの重さを支えられるかを数字で表しています。
荷重指数73は、最大負荷能力365kgに対応します。
ただし、これを見て「バイクと人と荷物の重さを前後で半分に分ければええんやな」と考えるのは少し違います。
バイクは、乗る人の位置や荷物の積み方、加速や減速によって、前後のタイヤにかかる重さが変わります。
荷重指数だけを見て自由に選ぶのではなく、車両メーカーが指定している条件を確認することが大切です。
(W)は速度記号
最後の「(W)」は、速度記号です。
Wは、規定された条件で270km/hまでの速度カテゴリーを表します。
今回のように「(W)」と括弧が付いている場合は、270km/hを超える速度カテゴリーです。
これも、公道で出してよい速度を表しているわけではありません。
また、速度記号が高いからといって、雨の日に滑りにくい、摩耗しにくい、乗り心地がよいという意味でもありません。
あくまで速度能力についての表示です。
180/55ZR17 M/C(73W)の意味をまとめると
ここまでの内容をまとめると、「180/55ZR17 M/C(73W)」は次のように読めます。
- 180:幅が180mmクラス
- 55:タイヤ幅に対する高さの割合
- Z:240km/hを超える速度カテゴリー
- R:ラジアル構造
- 17:17インチのリム用
- M/C:二輪車用タイヤ
- 73:荷重指数
- (W):270km/hを超える速度カテゴリー
一気に見るとややこしいですが、区切って読むと、それぞれに役割があるのが分かります。
Rが付いていないタイヤもある
バイクタイヤには、Rが付いていない表記もあります。
例えば、次のようなものです。
- 3.00-18
- 120/90-17
- MT90B16
「3.00-18」や「120/90-17」のように、Rの位置にハイフンがあるものは、バイアス構造の表記です。
「MT90B16」のBは、ベルテッドバイアス構造を表します。
Rが付いていないから、おかしいタイヤということではありません。
車種やタイヤによって、使われている構造が違います。
表記が同じでも何でも取り付けられるわけではない
ここまで読むと、「同じ180/55ZR17 M/C(73W)なら、どれでも付けられるんやろうか」と思うかもしれません。
けれど、同じ表記なら何でも取り付けられるわけではありません。
タイヤには、ほかにも確認する部分があります。
- 前輪用か後輪用か
- リム幅が合っているか
- 荷重指数や速度記号が足りているか
- チューブ用かチューブレス用か
- 回転方向が決められているか
- その車種に適合しているか
サイズの数字が同じでも、製品ごとに違うところがあります。
タイヤ交換では、今付いているタイヤの表記だけで決めず、車両の取扱説明書やタイヤメーカーの情報も確認したほうが安心です。
実際にタイヤを選ぶときの確認点は、「バイクタイヤの選び方|サイズ・リム幅・前後指定など確認したいポイント」で詳しくまとめています。
基本は車両メーカーの指定サイズから選ぶ
特別な理由がなければ、まずは車両メーカーが指定しているサイズから選ぶのが分かりやすいです。
純正より太いタイヤに変えたり、扁平率を変えたりすると、外径やタイヤの形が変わることがあります。
その結果、車体との隙間や操作感に影響する場合もあります。
見た目だけで数字を変えるより、指定されたサイズの中から、自分の走り方に合うタイヤを選ぶほうが気楽やと思います。
まとめ
「180/55ZR17 M/C(73W)」には、タイヤの幅、高さの割合、構造、リム径、荷重指数、速度記号などが並んでいます。
- 180はタイヤ幅の呼び
- 55は扁平率
- Zは速度カテゴリー
- Rはラジアル構造
- 17はリム径
- M/Cは二輪車用の表示
- 73は荷重指数
- (W)は速度記号
全部を一度に覚えようとすると、また暗号みたいに見えてきます。
まずは180が幅、55が高さの割合、17がホイールの大きさと分かるだけでも、タイヤ側面の見え方はかなり変わります。
そこからZやR、M/C、73、(W)を順番に見ていけば十分です。
タイヤを選ぶときは、表記だけでなく、車両メーカーの指定サイズや前後の装着位置なども確認します。
まずは今付いているタイヤを横から見て、数字をひとつずつ読んでみる。そこから始めるくらいで、ちょうどええんやと思います。